SNSが乗っ取られる!?

更新日:2024.11.20 投稿日:2024.11.20 情報セキュリティ

SNSは現代社会において人々のコミュニケーションを劇的に変化させ、生活を豊かにする素晴らしいツールです。手軽に情報発信や共有ができ、世界中の人々とメッセージを交換しあったり、同じ趣味を持つコミュニティに参加したりなど、そのメリットは数えきれません。しかし一方で、SNSの普及に伴い、アカウント乗っ取りをはじめとする様々なサイバー被害も増加しています。個人情報が漏洩し、なりすまされたり、不当な利用をされたり、さらには経済的な損害に繋がる可能性さえも否定できません。今回は、SNSの中でも最も多い約30億人のアクティブユーザーを抱えるFacebookを例に取り上げ、乗っ取りなどのサイバー被害の現状、防御策などを紹介します。

SNSで起こりうるサイバー被害の具体例

  • なりすまし(ハッキング) : 他人のアカウントを乗っ取り、本人になりすまして投稿やメッセージを送ったり、友人を騙したりします。

例:知り合いのアカウントが突然不審な投稿をする。

  • フィッシング攻撃 : 偽のアカウントやメッセージで、個人情報(パスワード、クレジットカード番号など)や金銭を騙し取る攻撃です。

例:人気企業になりすまし、個人情報を要求するDMを送ってくる。

  • スパム : 不必要な広告や情報、ウイルス感染させるリンクなどを大量に送りつける行為です。

例:DMで頻繁に商品やサービスの宣伝が届く。

  • 拡散型中傷 : 虚偽の情報や誹謗中傷を拡散し、個人の名誉や信用を傷つけます。

例:特定の個人を攻撃する書き込みが多数投稿される。

Facebookの乗っ取り

Facebookの乗っ取りは、残念ながら多くの人が経験するトラブルの一つです。アカウントが乗っ取られると、個人情報が漏洩したり、友人知人に迷惑をかけたりする可能性があります。

  • 個人情報の漏洩: 住所、電話番号、メールアドレスなどの個人情報が漏洩し、詐欺やなりすましの被害に遭う可能性があります。
  • 友人の迷惑: 乗っ取られたアカウントから、不審なメッセージや投稿が行われ、友人が騙される可能性があります。
  • 他のアカウントの乗っ取り: 他のSNSやサービスのアカウントも、Facebookのパスワードと共通のパスワードを利用している場合、連鎖的に乗っ取られる可能性があります。

多層防御で防ぐ!

多層防御とは、一つのセキュリティ対策に依存せず、複数の防御策を組み合わせて安全性を高めるアプローチです。たとえ一つの防御策が突破されたとしても、別の防御策がその隙間を補い、被害を防ぐ可能性を高めます。

家にたとえれば、次のようなイメージです。

  • 家の玄関の鍵を頑丈にする(パスワード強化):簡単な鍵(短く単純なパスワード)は攻撃者に容易に破られますが、複雑な鍵(強力なパスワード)は侵入を難しくします。
  • 玄関に補助鍵を付ける(二要素認証):万が一、玄関の鍵が破られても、補助鍵(二要素認証)によって侵入を防ぎます。
  • 監視カメラで侵入の兆候を察知する(ログインアラート):不審者が家に近づいた際、監視カメラ(ログインアラート)が作動することで、早期に対処できます。

これをFacebookに当てはめると、以下のようになります。

  •  強力なパスワードを設定し、攻撃者が突破しづらい玄関を作る。
  • 二要素認証を有効化し、万が一パスワードが流出しても侵入を防ぐ補助鍵を設置する。
  • ログインアラートを有効化し、不審な動きをいち早く察知する監視カメラを整備する。

Facebookで多層防御を実現する設定手順

パスワードを強化する

パスワードは、アカウントの玄関鍵です。強固な鍵を作ることで、攻撃者の侵入を難しくします。強力なパスワードは、二要素認証とともにセキュリティを支える重要な柱です。

設定方法:

  1.  Fcebookにログインし、右上のプロフィール写真をクリック。
  2. 「設定とプライバシー」を選び、次に「設定」をクリック。
  3.  左側メニューから「セキュリティとログイン」を選択。
  4. 「パスワードの変更」を選び、現在のパスワードと新しいパスワードを入力する。
  5. 「変更を保存」をクリック。

※)パスワードの設定ポイント:

o  12文字以上の長さで設定する。

o  英数字や記号を組み合わせて、複雑なパスワードを使用する。

o  他のサービスと異なるパスワードを使う(使い回しをしない)。

二要素認証を有効化する

二要素認証は、パスワードに加え、スマートフォンや認証アプリを使った追加の認証を導入することで、不正ログインのリスクを大幅に減らせます。

設定方法:

  1. 「セキュリティとログイン」メニューを開きます。
  2. 「二要素認証を使用」に移動し、「編集」をクリック。
  3.  希望する認証方法を選択。
  4.  SNS認証:登録した電話番号に認証コードが送られます。
  5.  指示に従い、設定を完了させます。

※)認証方法の選択:

o  認証アプリ(推奨):Google AuthenticatorやMicrosoft Authenticatorを利用します。

ログインアラートを有効化する

ログインアラートは、不正なログインが試みられた際にいち早く通知を受け取れる仕組みです。不審な動きを察知し、迅速に対応するために有効化しておきましょう。

設定方法:

  1. 「セキュリティとログイン」メニューを開きます。
  2. 「ログインアラートを設定」に進み、「編集」をクリック。
  3.  通知を受け取る方法(Facebook通知、メール、SMSなど)を選び、有効化する。
  4. 「変更を保存」をクリックして設定を完了します。

ほかに注意することは?

併せて、以下の点にも注意して守りを固めましょう。

  • セキュリティソフトを最新の状態に保つ。
  • 知らない人からの友達申請は承認しない。
  • 不審なメッセージやリンクをクリックしない。
  • 自分の投稿を見ることができる人を制限する。

まとめ

「頑丈な玄関の鍵」「補助鍵」「監視カメラ」に例えたように、複数のセキュリティ対策を組み合わせることで、アカウントの防御力を大幅に高めることができます。強力なパスワード、二要素認証、ログインアラートの3つをまず実践し、Facebookアカウントを守りましょう。

セキュリティ対策の考え方は、どのSNSを利用する場合でも共通で、Instagram や Twitter(現:X)、LinkedIn、その他のSNSを運用する際にも、基本的なセキュリティ対策の原則は同じです。ただし、SNSによって設定できるセキュリティ対策に差があることがあるので、それぞれ確認してみてください。

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